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真ルート 2週目以降、鈴蘭畑に現れるスナッチシャドウを倒すことでルート分岐する。 +キノコライスハウス すごすご帰ってくると、イベント後ワープゾーンが起動する。 +森 霧がかかった森。 一か所見にくい通路があるので奥の宝箱を逃さないように。 +ボス いません。 +ksg十字稜 またこのダンジョンを攻略することになる。 北や中央ルートに比べて明らかにアイテム数が減っている上、コーラとかが普通に置いてある。 探索しなくていいと思いきや、意外と良耐性装備があったりするので悩ましい。 3Fごとにボス戦。 +ボス マスクドニンジャ、アークエンジェル、メイデン マスクドニンジャには高確率で即死が効くので、開幕にいてらsを入れよう。 アークエンジェルはDシンフォニーやセレブレイトなど物理魔法両方で攻めてくる。 メイデンは水属性の魔法中心、そしてエターナルフォースブリザードを使う。 メイデンには沈黙が効きやすいためホーリーやハッタリで入れておくとかなり楽になる。 ただし攻撃がほぼ誘う右手(魅了つき物理)と冷気のみになるので、魅了対策してない場合は注意。 アークエンジェルとメイデンどちらを先に倒すかはお好みで。 +ボス 草薙漸、4th ついにロリコン四天王リーダー登場。 草薙漸は闇、物メイン。4thは地、物メインの攻撃。 4thに入りやすい魔攻低下を入れておくとラスオブガイアなどのダメージが減って少し楽になる。 草薙漸はHP半分ほどからピラニアンローズやボギーブレーヴェストブリザードを使う。 射や水など属性が多岐にわたるため対策しにくい。凍結も怖いのであまり打たれないことを祈ろう。 4thはHPが減るとダブルロリコンブリザード、エターナルフォースブリザードが解禁される。 ダブルロリコンブリザードは命属性対策していなければ壊滅的な被害を負う。 そもそも耐性装備自体が少ないので、こちらも打たれないことを祈る。 エターナルフォースブリザードの停止もかなり厄介。打たれないことを(ry HPが残りわずかになるとダブルロリコンブリザードを高確率で使うようになる。 何発も耐えられる威力ではないため、速攻撃破を。 この状態になると感電が効きやすくなるため、できる限り入れたい。 草薙漸は射と光が弱点、4thは風と魔が弱点。Altruseが破壊光線(レベル18)を覚えていると4thを削りやすい。 このあたりのレベルを目安に。 撃破すると草薙漸、4thが仲間になる(ともにレベル20) +ボス スナッチ 5ターン耐えればイベントが進む。 全滅しないように。 +ksg城 いわゆるラストダンジョン。 そこそこ長い上に色々仕掛けがあるので攻略にはそれなりにかかる。 さらに一部の雑魚が鬼畜。こまめなセーブが必要となるかも。 1Fごとに上り階段にワープポイントが用意されている。 1F 四隅にある燭台に火をともすと中央にある扉が開く。 宝箱の中身はハイりぼんなので是非とっておきたい。 2F 老人の像を調べるとワープできるのでその先に 3Fの像からワープしてくると黒い毛玉の場所にワープする。 +ボス ディアボロ 到達時点ではまず勝てない。レベル30以上は必要だろう。 キングクリムゾンを使われると物理攻撃がほとんど当たらなくなる。 命はもらった、は即死つきなので対策しておこう。 帝王の波動は闇属性、グランドダッシュは地属性。物理以外はこの2属性の耐性を。 HP20%ぐらいから発狂、二回行動になる。 しかしその分キングクリムゾンがすぐに切れるので、ダメージを入れるのは楽かも。 4F 左下の壁を調べると通り抜けることができる。 その先の宝箱は星海の鎧。 老人の像が3体並んでいるところは左端のものを調べれば先に進める。 5F 6Fにある赤いスイッチを押すことでボスへの扉が開く。 何も知らずに解除して探索中に遭遇しかねないので注意。 右下の燭台に火をともすと左上に宝箱が出現。 +ボス きたがわ メテオザッパーや冷凍剣などを使う。 攻撃力が高いが、物理一辺倒の単純なボス。 能力低下もそれなりに入るため、攻撃低下を入れておけばかなり安定する。 それでも邪導剣は痛いので回復役には物理耐性がほしいかも。 6F-7F 一見レバーを倒していけば6Fは進めるが、7Fを進むには6Fのレバーを全てOFFにする必要がある。 6Fのワープポイントを起動させておき、レバーをOFFにしながら逆走し、B1Fから再び6Fにワープすれば進むことができる。 ただし6Fの右下(or左下)の上り階段から9Fに進み緑スイッチを押しておかなければ8Fの宝箱が取れなくなる。 中身はマジカルハット(消費MP3/4)なので取り逃さないようにしたい。 9F 10Fから降りてきて青いスイッチを押さなければ進めない。 +ボス サクヤ・ブランドー 2回行動で停止攻撃を連発する。 防御力がかなり低いため停止対策ができていれば意外と低レベルで倒せるかもしれない。 とはいえ2回行動なので火力はそれなりにある。物理中心に対策しておこう。 盲目が一応効くため、入れておくとかなり有利に戦える。 10F +ボス エアマスター ksg9ラスボス。 光、魔が弱点で火に耐性。 1ターン目に必ずネームレスバースト(魔)。攻撃力と魔攻力低下つきで結構痛い。 それ以降5xターンで使用する。 攻撃属性が多いため全部に対策することは難しい。 優先的に対策をするなら全体攻撃の闇と魔がおすすめ。射はボウマスターの証を持っていれば装備してもいいか。 火はファイヤレーザーとエアマスターオブレッドサンがあるが、ファイヤーレーザーはそれほど痛くないしレッドサンは火+風なので風耐性がないと意味がない。 ヘイヤルロトティーヤ(闇)は高確率で即死付加なのでできれば即死耐性がほしい。 テスタメントオブエアマスター(命)は4000固定ダメージ。味方のものとは性能が違う。 ○装備でも3000受けてしまうので結局耐えられない。 命耐性を持つキャラを一人はメンバーに入れておきたいところ。 残りHP20%から発狂、2回行動になる。 運が悪いとグングニル連発とかネームレスバースト連発とか。 この状態になると攻撃、魔攻低下が効きやすくなる。 2回行動なので治りやすいが長く続けばかなり楽になる。 レベル30ぐらいはないとあまり安定しないボスだと思われる。 ここから分割ダンジョン。4人×2PTに分かれる。 セーブができないため全滅には十分注意を。 特に殺戮の使徒2体構成のグループは育ててないキャラが瞬殺されかねない。 11F 第1PTで12Fの穴から落ちてきて青スイッチを押すと第2PTの宝箱が取れるようになる。 12F 第1PTで緑スイッチを押すと第2PTの宝箱が取れる。 第2PTのレバー→第1PTのレバーで先に進める。 ただし第1PT側のレバーを切り替える前に第1PTで13Fに行く必要がある。 13F 第1PTで上記の赤スイッチを押すと第2PTが先に進める。 その後、第2PTで緑スイッチを押すと第1PTが先に進める。 階段の前の両方のレバーを切り替えると中間地点が出現する。 14F お互いの緑と青スイッチを押さないと先に進めない。 第2PTの宝箱は15Fから落ちてくると取れる。 15F 第1PTの針は第2PTの燭台に火をつけることで消える。解除しないとひとつにつき500ダメージ。 といっても宝箱の中身はコーラなのでスルーでもいい。 16F 第1、第2PTともに通路奥のレバーを切り替えると先に進め、中間地点が出現する。 2PTとも先に進むとボス戦。 +第1PTボス 超月兎人 ksg12ラスボス。 攻撃は光属性メインで、闇が弱点。射、光耐性。 HPが減ってくると命属性の技も使う。 どちらかというと物理寄り。 状態異常は睡眠、停止、沈黙。 睡眠は最優先で。停止は単体、沈黙は全体だが発狂技なので後回しでも。 +第2PTボス によピンク ksg11ラスボス。 火水風地属性がメイン。弱点は射と火。風と魔に耐性。 こちらは魔法寄り。4属性のうち2つの複合属性技が多い。 状態異常つきの技がかなり多い。 灼熱、凍結、石化対策に肉体耐性装備がほしい。 バイオブラスト(地)と春の嵐(風)は毒、猛毒かつ全体技なので余裕があれば毒も。 HPが減ると使うシャドウゲイト(命)はほとんどの状態異常が付加される。運が悪いと諦めよう。 聖なるしんぱん(命)は6666ダメージで耐性がなければ死ぬ。あっても基本死ぬ。 ボスを両方とも倒すと分割ダンジョン終了。 17F 雑魚がまた厄介になる。 18Fに上ってから落とし穴で落ちてこないと進めない。 +ボス ブロリリー ブロリリーです・・・。 もうダメだ・・・おしまいだぁ・・・。 18F 17Fと19Fを行ったり来たりすることになる。 19F 18Fの上側の階段から進んでレバーを切り替えないと進めない。 20F 21Fの落とし穴から落ちてくるとボスへの道が開ける。 +ボス ロリカイザー ksg13ラスボス。 光、闇属性中心。 弱点がないためタフ。ある程度レベルがないと火力が足りなくなる。 さらに全体病気、全能力低下などこちらの火力が下がるためこれらの対策もしておきたい。 病気は神経系で防げるので、盲目と合わせて神経耐性を。 HP半分程度からエターナルフォースブリザードを使うため、最低限回復役には停止◎以上を。 9Fのサクヤ・ブランドーを倒していたら懐中時計を装備させたい。 属性は基本的に光と闇の対策でいい。 どちらかが弱点だとロリコンウェーブや発狂時の全体ロリコンバースト(ともに光+闇)でひどい目にあう。 対策することが多く装備欄が足りなくなる。 次のボスにも備えてレベル上げをしておくといいかも。 21F また雑魚が強くなる。が、17Fほど急激には強くならない。 20F攻略前、ボス前のスイッチに降りるためには左端の落とし穴に落ちる。 その前に像からワープできる緑スイッチを押しておかなければ正規の道が進めない。 22F 最初の像は右端のものから先に進める。 壁のひび割れを調べるとすり抜けられる。 23F 左から2つ目-Y缶+落下 真ん中-正規ルート 右から2つ目-特になし 端2つ-落下 24F 25Fに進んだあと、落とし穴から落ちてこなければいけない。 25F 一度24Fから上がってくる際、落とし穴の前に燭台に火をつけておくこと。 燭台2か所ONでボス扉が開く。 +ボス コメータ ksg10ラスボス。 射、風が弱点。固いが防御低下系が高確率で効く。 攻撃属性は色々あるが、物と地が多め。 高確率2回行動なので運が悪いと攻撃が集中して回復役が倒されたりする。耐性は優先してあげよう。 状態異常は傘突(物)の即死、ローズウィップ(地)の転倒+石化、ビッグバンアタック(魔)の盲目が厄介か。 特に石化はキュアなどでしか治せないため注意。魔法メインなら盲目は無視してもいい。 ギャラクシークラッシャー(光)は命中は低いが5000ダメージ。◎以上の耐性が必要になる。 盲目と感電が効くため積極的に狙っていきたい。 28F スイッチは時間差なので長いものから順に押していく必要がある。 8 3 1 2 9 5 6 7 4 の順になる。 +ボス サイバーエンドドラゴン、キメラテックオーバードラゴン サイバーエンドドラゴンは光属性全体4000ダメージ。 キメラテックオーバードラゴンは闇属性単体4800ダメージ×5。 どちらも防御力が高いので、防御無視が望ましい。 ライトウォールやダークウォールを使うといい。 29F マップ右側の燭台と同じ、ではなく左右反転にする必要がある。 具体的には ×○××○○ ×○○×○× +クイズの答え 加速の靴の攻撃力は0なので0が答え。 30F レバーを操作して渡っていく。 31F 最上階。 左右の細道で最強雑魚衆がお出迎え。 下手にセーブすると詰むので注意。 ワープを起動させるとB1Fにワープポイントが出現。 +ボス 久瀬 ラスボスが倒せるなら十分倒せる。 属性は多岐に及ぶが、ヴァジュラの叫び、バベルの裁きの対策に雷を優先的に。 状態異常に関してはタイムストップの停止が一番厄介、ついでバベルの沈黙。物理を使うなら感電も。 他に対策するなら命か光闇といったところ。 奥の階段を上るとラスボス戦へ。 目安レベルは45~50ぐらい。 +ラスボス スナッチ 誰だお前は。 火・闇属性中心でこの二属性に耐性。光が弱点。 魔法攻撃がメインで物理攻撃はダークレッドルージュ、ナイトオブナイト、フェイタルショットの3つのみ。 魔法の中では特にディスインテグレイトが痛い。魔防が低いキャラは致命傷になりうる。 火闇以外にも誇りの略奪とエクスプロージョン・ノヴァの魔、ダークネス・ヴァジュラの雷、フェイタルショットの射属性の技がある。 優先度としては火>闇>魔ぐらい。雷と射は余裕があれば。 状態異常は即死、暴走、睡眠、盲目、封印、能力低下と多彩。 しかしほとんど単体技で全体技では盲目のみ。即死以外は対策がおろそかでも割となんとかなる。 残りHP20%から光弱点が消え、速度が若干上がる。 使用する技も単体技が少なくなるのでエリアヒールを連打する必要になりそう。 撃破後、イベントを挟んでラストバトル。 メニューを開くことができるため、装備の変更やセーブが可能。有情。 ROSE かみ。 スナッチとあまり強さは変わらないが物理の割合が結構多い。 属性は物と雷と命がメイン。他に火、光、魔の技を使用。 また、確率は低いが火水風地雷光闇のデストラクションエンジェルを使うので弱点だけは避けたい。 状態異常は灼熱、感電、麻痺、停止の4つ。最終段階で能力低下が追加される。 感電と麻痺は全体技なので麻痺を第一優先で。感電は物理キャラだけでよい。 回復役が停止するのはまずいので停止対策も一応しておいたほうがいいかも。 HPが50%を切ると確定で全体にトワイライトスパークを放つ。 ゆうに7000↑のダメージが飛ぶので半減でも厳しい。 ここからHP20%を切るまで、10ターンおきに全体トワイライトを使う。 ターン数を計算しておかないと一瞬で全滅するので注意。 といっても見るのは多分1、2回であろう。 残りHP20%(40000)から最終段階。 防御、魔防が2倍。魔攻微増。 物魔が33%、火水風地雷無効、射光闇25%、固定50%となる。 唯一命属性のみが100%通る。 この時点で命属性技を使えるキャラ(もしくは固定技の2人)がいないと非常に苦しい。 使用する技はシャウトオブヴァジュラを除き、全て命属性。 特に9999ダメージの最後の審判と、全体全能力低下のファイナリティ・エンドが危険。 最後の審判は単体技なのでともかく、ファイナリティ・エンドは全体技で高威力。 全能力低下も非常に効果が大きいので厄介な技。 とにかくラストエリクサーもはちみつも使いきって倒そう。 撃破後、エンディング。 ksg完。
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ココロ やせてとがってく 香取洋子は、幼い頃に帰ったかのように眠っていた。 懐かしい匂いが鼻の中を通り抜けて、脳を擽ってくれているようだった。 そのおかげか、いつもに比べて随分と寝汗は抑えられている。 その日見た夢は、ある事故が起きてからの長い悪夢ではなく、広大な海と優しい父の傍に抱かれていた遠い日の夢だった。 父と二人暮らしてきた楽しかった日々――大きな海の真ん中で、父の操縦する船を走り回っていた時の事。 夢の中では子供に帰れた。 夢の中にいる洋子は、香取洋子ではなく、鹿島洋子という少女で……その名前の持つ意味が変わっていく事を知らなかった。 自分の手が血塗られていく事など考えもしなければ、多くの人間が父に憎しみのまなざしを向ける事など予期していない。 まるで、全てを忘れ去ったかのような快感。 こんな安らかな夢を見るのは、いつ振りだろうか。 多くの犠牲者を出した海難事故の「元凶」の娘となってからも。 鹿島洋子という名前を名乗れなくなり、悔しさの中で死んだ母の姓を名乗るようになってからも。 父の命はおろか名誉までも奪った男たちに復讐を誓ってからも。 そして、彼らを殺して、やがて血塗られた幽霊船長となってからも。 悪夢以外の夢を、見る事はなかった。 きっと、多くの復讐鬼たちは、その復讐の起源となった地獄の瞬間だけを夢に見るようになっていくのだ。 固く刻まれた憎しみを胸に宿し続け、それを忘れないように、夢が何度も彼らの脳裏にその瞬間をしみこませていく。 決して憎しみを忘れる事がないように、囁き続ける言葉と、フラッシュバックする光景。 それは、たとえ忘れたくても、憎しみを骨肉に彫り込まれていくような痛みだった。 それを誰もが繰り返し、繰り返し、そして頭の中に描かれた復讐の計画を現実のものに変えていこうとするのだ。 復讐鬼たちは、地獄の夢を見る。 しかし――その一日だけ、香取洋子はその復讐の日々から解放されていたのだ。 そっと目を開けた。 洋子の胸にじわじわと残る、夢の残滓のせつなさ。 心地良い夢から現実に変える時の、どこまでも胸が痛い感覚――あと少しだけでも夢の中に溺れていたい。 だが、一瞬にして彼女の眼は冷めた。 周囲を見回した。 「どういう事……?」 洋子は慌てて起き上がり、思わずそう口に出してしまった。 頭の中で考えた事が口に出てしまうのは久々の感覚だ。 絶対に明かされてはならない計画が頭の中に存在しているうちは、それがどこかから漏れないように必死に押し込めていた。 しかし、頭の中だけの口で言った言葉が、そのまま吐き出された。 それくらいに驚くべき瞬間だった。 何故って。 「ここは……」 それは、洋子が今いるのはかつて暮らしていた家――父との思い出の残る家、だったからだ。 生まれついた町の中で、今確かに浮いている筈の一軒家。 しかし、この家だけがリゾート島に運ばれたかのようで、町並みなんていう物は存在しない。 誰もこの家に石を投げないし、この家が壊されていくのを見て見ぬふりする者もいない。 「リゾート島って、まさか……こんな事まで」 そうだ。そういえば、九条という男は、観月旅行社と言っていた。 観月旅行社といえば、あのオリエンタル号の処女航海を担当した旅行会社である。 あの旅行会社に、家を一軒まるごとリゾート島に移築する力まであったというのか。 これまで惨劇の舞台となった場所を再現する、とは言っていたが――まさか、この家まで。 洋子は、呆気にとられつつもそれを事実として認めた。 今自分がいるのは夢の中ではない。 現実なのだ。 それをまず受容して、それから進まなければならない。 今自分がいるのは――間違いなく、遠い昔、親子が暮らしていた懐かしい我が家なのだ。 「――……」 ――だが。 やはり、そこは、洋子が幼かった時とは違い、誰かによって向けられた悪意の痕跡が残っていた。 少しだけ、洋子の顔から笑顔が消える。 笑顔……? そうか、自分は今、笑っていたのだと、口元がそっと落ち込んでいった時に洋子は気が付いた。 彼女は、ゆっくりと外に出た。 壁にはたくさんのラクガキ……『人殺し』『地獄に落ちろ』。 窓は割られていて、そうか、夜風が入り込んでいた。 道理でというべきか、洋子はここで眠っている時、僅かな肌寒さを感じていたのである。 暖かさだけに包まれなかったあの感覚は、この隙間風が齎した物らしい。 ただ嬉しいだけの感覚じゃないのは、これがあの事故の後の光景だったからであろう。 「……」 それでも――。 これまで、遠くから見る事しか出来なかった家に、ただ一人で入っているという事実が、洋子にとっては感慨深いものだった。 勿論、この場所に向けられた多くの人間の悪意の証は残っている。 だが、そんな事も頭の片隅から消えて行った。 家の中の匂いも、雑誌の付録のシールが大量に張られた家具も、在りし日の両親と三人が映った写真立ても、幼児が描いた船乗りの絵も。 すべてが、そんな悪意を忘れさせるほどに、懐かしかった。 やっと会えた。 やっと帰って来られた。 何度近づいても、絶対に潜る事の出来なかった門に――この殺し合いは導いてくれた。 「……ただいま」 家の門の前で、ずっと言えなかった言葉をつぶやく。 胸から熱い物がこみあげてきた。 おかえり、という返事はない。 その寂しさと――長く言えなかった言葉を言えた喜びと。 「お父さん…………ただいま」 嗚咽が出て、涙が溢れ、しゃがみこむように崩れるるまで時間はかからなかった。 それは、空虚と憎しみとが忘れさせた、幼い少女の純粋な涙のようにさえ見えた。 復讐の悪夢の中にあった洋子も、ほんの少しだけ帰りたかった過去に帰れた――。 復讐鬼の目が潤み、少女に戻っていくのを、祝福する者はいなかった。 ◆ 数十分が過ぎた。 周囲には誰もいないと、洋子はしっかり確認した。 この家と洋子だけが、まるで時間や場所の概念から消されていったかのように、此処にある。 いつでも帰れる。 誰かの視線に怯える事もない。誰かの悪意が向けられる事もない。 ずっとここにいても、誰も殺人犯の子供だなんて言わない。 その感激に飲まれながら、洋子は掃除を始めていた。 彼女もまた、ほんの少しでもかつてのこの家の姿を取り戻したいのだ。 この見るに堪えない、まるではきだめのように扱われていた場所を、そっと本来の形に戻していきたい。 誰にも見られないところで、こうして、訴えるようにしてラクガキを消せる。 誰かの間違った主張に対抗できる。 いつまた崩されてもいい。 ほんの少しの間だけ、夢を見ていたい。 その為に、まずは、支給されていた洗剤を手に取った。 ブラシを手に取り、洗剤と水で壁のラクガキを消していく。 洋子たちを攻撃していた文字が、弱弱しく、薄まっていく。 甲板を掃除するような重労働は慣れているが、何故、彼女がこれを掃除しなければならないのか――。 誰かに理不尽に向けられた悪意に対抗するのに、被害者自身が労力を割かねばならないのは理不尽そのものであると言える。 それでも彼女は、どこか楽しそうに掃除をした。 ラクガキが消えていくだけで、気持ちが晴れていくのがわかったからだ。 この悪意を一刻も早く消す事ができれば、もう文句はない。 「……お父さん」 最初に、『人殺し』という字が消えていった。 人殺し。 確かに洋子は――人を殺した。それは否定しない。 だが、この言葉を向けた人間の意図は、その事を指示しているわけじゃない。 百人以上の人間が死んだオリエンタル号事故で、父の過失を責め立てているのだ。 遺族たちはすべて、鹿島伸吾に憎しみを向けている。そして、彼らに必要以上に共感した正義感の第三者たちが壁をラクガキで埋めた。 鹿島伸吾は冤罪だった。 やってもいない罪で、ただひたすらに攻め立てられ、死んでも尚憎まれ続けた。 早く消したい。 この言葉を。 父は違うのだから。 父は、船乗りとしての責任を全うした。 その誇りさえも、こうして真実を知らない誰かの悪意によって汚されている。 諸悪の根源が別に存在しているのはわかっている。 しかし、何も知らずに悪意を向ける人々にさえも、洋子はずっと苛立っていたのだ。 それを発散するのに、今の行動はちょうど良かった。 薄まっていく『人殺し』の文字を見ていた洋子は――次の瞬間、背後から頭を殴られ、どさっと倒れた。 ◆ 一瞬、何が起きたのかも理解できないまま、洋子は洗剤の混じった小さな水の川の中に顔を沈ませた。 石の味と、洗剤の匂いと。 (どう、したの……) もう一撃、何か細長くて固い物が脇腹に叩きつけられた。 筋肉と内臓とを叩きつける鈍器の一撃が、全身に駆け巡る。 連打するように何かを振りかぶる襲撃者がいたのだ。 ――洋子はそれに気づかなかった。 「くっ……!」 だが、襲撃者が凶器を振り上げているうちに、洋子は這うように転がって、塀に寄りかかって起き上がる。 脇腹が痛んだ。頭を殴られた衝撃か、目の前が蜃気楼のように歪み、立っているのに自分が倒れているのか立っているのかわからなくなった。 それでも、洋子は立ち上がり、バットを振り上げる誰かを見た。 ◆ 襲撃者は、アイスホッケーのマスクを被っていた。 あの有名な『13日の金曜日』に出てくるマスクの男――ジェイソンに酷似している怪物である。 それを想起させるが、洋子もそれが映画の怪物とは思わなかった。 仮面を装着する事で身元を隠した別の誰かだと、判りきっている。 それが成人男性程度の体躯である事は、洋子の目からは容易に想像できた。 とはいえ、太い骨格や筋肉の持ち主とは思えない。洋子が見てきた船の男と比べると、見劣りする体つきであった。 ただ、その男が優位なのは、洋子より高い位置からバットを振り上げる事が出来る身長の方だ。 「螢子が受けた苦しみ……キサマも味わえ!!」 木製のバットが真上からたたきつけられようとする。 幸いなのは金属製ではない事だった。もし金属製だったら、洋子は既に意識を失っていたかもしれない。 その男からは、殺人鬼らしい殺意を感じた。 そして、洋子に悪寒を覚えさせるような悪意もまた、彼からは放たれていた――。 「きゃっ!」 次の一撃は、洋子が上手に避けて幸いにも空ぶった。 壁を背にしていた事も大きかったのだろう。それによって、距離感を掴むのが難しかったようだ。 「避けたかッ」 しかし、それでもジェイソンの悪意は冷めやらない。次の一撃を放つ為、マスク越しに洋子を睨む。 何者かはわからないが、少なくとも彼女にわかるのは、彼が敵である事はわかっている。 もう一つわかっているのは、生き残る為に最大限対処しなければならないという事。 (――誰なの? この男!) いきなり深手を負ってしまった洋子は少々分が悪い。 今は上手に向かい合う形になったので、まだ回避の術はあるが――さて。 洋子は、デッキブラシを手に取った。 次の一撃までに使える武器は、ただそれだけだ。 「はぁッ!」 振り上げられようとしているバットを躱すよりも――ブラシが真っすぐ突き出された。 まだ水と洗剤が仕込まれたヘッド部分がジェイソンの顔に勢いよく激突する。 「くっ……!」 大きく後ろにバランスを崩すジェイソン。 彼は、バットを握ったまま、もう片方の手で目を抑えた。 今の一撃で、期せずして目に洗剤が入ったのだ。 (――よしっ!) 思わぬ優勢だった。 脇腹がズキズキと痛む中でも、つい笑い転げてしまうくらいの安心感が過る。 逃げるならば今だが、おそらくすぐに追いつかれてしまうだろう。 だが、安心している場合ではない。畳みかけるならば今である。 むしろ緊張を維持したまま、相手を追い返すのだ。 (これなら――!!) しかし、その一瞬で洋子は、デッキブラシを左手に持ち替え、懐から果物ナイフを取り出した。 鞘を口で外し、吐き出すように地面に捨てる。 からん、と音が鳴り、ジェイソンがこちらを向いた。 これが彼女のもう一つの支給品であった。護身用に、こうして懐に隠し持っていたのだ。 刃を向け、ジェイソンを威嚇する。デッキブラシも、今度は持ち手を反転させて、棒の先端の方がジェイソンを向いた。 考えてみれば、わざわざ木製のバットで襲ってくるという事は、彼にはそれ以上の武器はないという事に違いない。 「!」 ジェイソンは、些か驚いたようだった。 不意打ちにも関わらず、自分が劣勢に立った事に……。 しかし、どうやら執念は膨らんでいるらしく、肩を揺るがせながら洋子と目を合わせ、些かの沈黙に応える。 洋子がどう動くのか見定めているのも勿論の事、洋子をどう叩き伏せるかも未だ考えているらしい。 暴力を振るいたいだけにしては、妙に物分かりも良かったので、洋子は少し助かってもいた。 「――どう? まだやる気?」 頭や脇腹は痛んでいるが、それを悟らせないような冷や汗混じりの笑みで洋子は言う。 まるで本当に怪物でも相手にしているかのような気分だ。 性格もわからない相手にどう言葉を投げていいのかは、こんな状況でもわからない。 「あなたの目的はわからないけど……とにかく、あたしとこの家に手を出すのはやめて。 余計な危害は加えたくないのよ。たとえ身を護る為でも……」 その言葉が取引を意味する事は、ジェイソンにもわかっている筈だった。 手を出して来たら殺す。手を出さなければお互い、余計な血は流さない。 明らかに、誰にとっても損のない取引の筈だ。 「……」 しかし、どうやらその言葉を聞いても彼は諦める様子を全く見せず、まだ食らいつこうか迷っているようにさえ見える。 そこまでの執念とは、一体何なのか。 わざわざ殺し合いなどする必要もないにも関わらず単純な暴力で襲い掛かるのも奇妙だし、反撃を受けてもナイフを突き出されても引く事がない。 彼が男で洋子が女である以上、別の目的もある可能性も否めないが、それでも流石に凶器を前に怯まないほど婦女暴行に執着する者も少ないだろう。 まるで、洋子という個人を標的に定めており、その存在そのものを執念深く狙っているようである。 (まさか……) 思い当たるのは――そう。 この家の人間を恨んでいる者――オリエンタル号沈没事故の遺族、といった存在だ。 他にいくつかの可能性があるとしても、洋子の中ではその可能性が肥大化して、他の可能性を考えられないくらいに大きな出来事だった。 遺族たちの怒りを洋子はニュースでいくらでも知っているし、彼らが鹿島伸吾をもう一度殺してやりたいほど憎んでいるのもわかっている。 だとすれば、その鹿島伸吾の家で「お父さん」と呟いた少女が、同じくらい恨まれていて、この状況下、好機とばかりにそれを狙う者がいてもおかしくない。 洋子はおそるおそる、口を開いた。 「……ねえ、一つ聞いていい?」 答えはない。 しかし、それで良い。 答えなど求めてはいない。 恥ずかしい独り言を、通りすがりの人間に聞かれるような心持で、目の前のジェイソンとの対話が始まる。 それは、洋子にとっては、「鹿島伸吾への誤解を持つ世間」と戦うよりはずっとマシな状況に見えた。 あの大軍は、どれだけ訴えても絶対に洋子の言葉など信じてくれるわけがない。 それでも、もしそれが――――個人と、個人の対話であったなら。 まだ、分がある。 目の前にいるたった一人の人間を見る事と、「鹿島伸吾の娘」を見る事は、この男にとっても違う筈だ。 別の動機があるのならば仕方ないが、彼の動機が「オリエンタル号沈没事故」に関わるものであるならば――と、洋子は賭けた。 「もし違っているなら、聞き流して。 ――ねえ、あなたの動機は、あたしの父……鹿島伸吾に関わる事?」 「!?」 反応が、あった。 予想していた事とはいえ、洋子も驚いている。 それは明らかに――鹿島伸吾を恨む誰かの悪意だった。 「……やっぱり。ねえ、それなら、聞いてほしい事があるの」 「……」 「あの事故の……あの事故の、本当の原因を伝えておきたいのよ。 武器を下して。そうすれば、あたしもそれに応える」 「……」 「――それとも、このままがいいの? それなら、あたしもそうするわ」 ジェイソンがバットを構えたままである以上、やはり対話は緊張を維持する事になる。 洋子は、戦いを避ける為に真実を出しにしようとしていたが、相手にとってはそれは武器を下す理由にはなりえないようだ。 相手が真実を知りたいかといえば、そうとも言い切れない。要するに、やり場のない怒りをぶつける相手が欲しいのだから、それがオリエンタル号でも竜王丸でも構わないのだ。 本当に真実を教えたいのは洋子の方なのである。 優勢なようで、どこまでも劣勢でもあった。 しかし、それを悟られない為に、うまく堪える。 「あの事故の責任は、父の操縦していた竜王丸じゃない……オリエンタル号側にあったのよ。 父は昔からあたしを船に乗せてくれていた。――でも、酒を口にしながら船を動かした事なんて一度もなかった! あれは全て、オリエンタル号の鷹守と若王子が、責任を全て父に擦り付ける為に仕組んだ事だったのよ!」 この話をする時、洋子の中から冷静さが消えた。 こらえきれない怒りや悲しみが、強い主張となってジェイソンに投げかけられる。 ナイフを持つ手が震えるが、もう一度しっかりと握りしめる。 「あの事故の事で憎むべき相手は、鷹守と若王子なの……。 信じてくれなくてもいい。あたしは、ずっと、この話をしたかった……。 これ以上、誰も父を憎まないでほしい……いや、違うわね。 父が最後まで貫いた誇りが捻じ曲げられるのが耐えられないの。だから――」 「……」 「聞いてくれたでしょ。信じるか信じないか、少しでも考えてくれたならそれで良い。 だから、早くどこかへ行って。 ……あたしは、ずっとここにいるわ。 もし、まだあたしたちを恨むとしても、考える時間はあるでしょ?」 それは、ただの取引ではなかった。 洋子は、今にも泣きそうな気持ちになっている自分を慰める時間が欲しかった。 一刻も早く、この男に消えてもらって、涙を流す余裕を得たかったのだ。 ようやく、ジェイソンが口を開いた。 「――なるほど」 それは、洋子を安心させる、落ち着いた若い男の声だった。 彼女も、ジェイソンが納得した事を悟って、どこかでほっとしていた。 早く彼が退散してくれる事を願いながら、彼を見つめる。 「考えておくッ!!」 しかし――、その言葉と共に、ジェイソンのバットは振り上げられた。 ◆ ――ジェイソンの攻撃に対して、反応はできた。 構えているナイフは飾りではない。 残念だが、襲ってくるならば反撃するしかないのだ。 果物ナイフを構えたまま、せめて急所にならないところを狙って刺突しようと、洋子は前に出る。 正当防衛という後ろ盾が、その罪悪感を打ち消していた。 しかし、どこか準備が欠けていたらしい。 「あっ……!!」 一歩を踏み出した洋子の体が大きく傾いた。 洗剤が撒かれた地面で、足を持っていかれたのだ。 ジェイソンの元へと肉薄しようとしていた洋子は、そのまま激しく転倒し、顎からアスファルトに叩きつけられる。 口の中で歯と歯が激突して、痛んだ。 「痛ッ……」 そんな彼女に追い打ちをかけるように、右腕に打撃。 バットが叩きつけられたのだ。 ジェイソンが圧倒的に優位に立った。 彼女の握っていた手はほどけ、果物ナイフが地面を滑る。 「フンッ!!」 それを取ったのは、ジェイソンの方であった。 そして、もはや洋子に反撃の術はなかった。 (違う……) 背中から馬乗りになるジェイソンは、次に洋子の首を後ろからナイフで突き刺した。 一度、二度、三度と突き刺される果物ナイフ。首の中を冷たい感触が走る。 嘔吐感、と不快感。 「違ゥッ……!!」 叫ぼうとした。 違う。 お前が憎むべきは、あたしたちじゃないのに……。 父は人殺しなんかじゃない。 どうして。 どうして信じてくれないの。 こんな。 最後まで……。 だって、まだ、するべき事が………………。 おとうさ…………。 …………。 …………。 【香取洋子@幽霊客船殺人事件 死亡】 ◆ ジェイソン――遠野英治からすれば、それは当然の結果であった。 香取洋子――いや、鹿島洋子が言っていた事が本当の事かどうかはわからない。 鷹守、若王子というオリエンタル号の関係者が事故の原因なのか、それとも竜王丸の鹿島伸吾が事故の原因なのかは知る由もない事である。 実際のところ、竜王丸の乗員も鹿島について証言しているので、原因は鹿島にあるという説の方が一般的だ。 しかし、一応、遠野は洋子の言っていた事を全く聞いていないわけではない。 オリエンタル号と竜王丸。 どちらが事故の原因なのかなど、客観的に見ればわからない話なのだ。 それならば、面倒だ。 疑わしい者は、全員殺してしまえばいい。 流れていく血液と、洗剤とが混じり合って、それは徐々に鮮血よりグロテスクなピンク色に変わっていく。 その上にうつ伏せに倒れる香取洋子の遺体を、遠野は一瞥だけして、視線をそらした。 それが女の死体である事が、遠野に別の記憶を思い出させる。 そう、最愛の螢子の死だ。 だからこそ、遠野は悲恋湖で男性から優先的に狙っていったのかもしれない。 ……しかし、遠野にとって機会は今しかなかった。 確かに香取洋子は、そこに留まり続けると言っていたが、果たしてそれは真実かはわからない。 父の無罪の話も、その場を取り繕って逃げる為の嘘かもしれない。 だが、逃がさない。 殺せる時に殺さなければ、この島には充分な逃げ場が存在しているのだ。 「――くっくっくっ」 とりあえず、この殺し合いでは一人だ。 鹿島伸吾の娘を殺した。 遠野英治が恨みながらも――殺す事のできない地獄にいる男が鹿島伸吾だった。 だが、その娘を殺す事で、遠野は最愛の人間を失う痛みを、地獄の鹿島に届ける事が出来た。 それだけでも良い。それだけでも、多分満足なのだ。 「くっくっくっくっ……」 それは、罪悪感を打ち消す為の狂気の笑みなのかもしれなかった。 しかし、傍から見れば満足気に聞こえただろう。 鹿島伸吾。 遠野が最初に憎んだSKだった。 彼が酒を飲みながら船を動かしていたから、オリエンタル号は沈んだ。 SKのイニシャルを持つ人間に螢子が殺されたのも事実だが、根本的にオリエンタル号が沈まなければ螢子が死ぬ事がなかったのも事実だ。 最も憎むべき相手のように思えるが、まあオリエンタル号が沈んだだけならば螢子はまだ助かる余地はあった筈なので、責任は五分五分程度と言えよう。 同じくらいに憎い相手には違いない。 あれから、SKのイニシャルのキーホルダーを握りしめながら、遠野は犯人を探すべく必死に調べた。 毎日のようにSKのイニシャルを眺めていくうちに、遠野は正体不明の誰かを探す事への限界を感じ始めていく。 霞のように手に取れない「誰か」ではなく、憎しみの対象はキーホルダーに刻まれたイニシャルへとすり替わっていった。 そして、ある「符合」の中にも、彼はジンクスを見出した。 オリエンタル号沈没の原因である「鹿島伸吾」と、螢子を殺した相手が同じイニシャルである事。 それはすなわち――自分たち兄妹を不幸にする存在そのものが「SK」であるという思考である。 そのイニシャルを持つ者たちが、自分たちの運命を突き崩してくる。 そんなジンクスを感じ始めた彼は、そのイニシャルの人間自体を憎み、――「殺す」事を考えたのである。 「待っていてくれ、螢子……」 遠野は、その場を後にした。 まだ薄く残る、壁の『人殺し』のラクガキを背にしながら――。 【一日目/深夜/鹿島家@幽霊客船殺人事件 付近】 【遠野英治@悲恋湖伝説殺人事件】 [状態]健康、返り血、ジェイソンに変身(これをつけると罪悪感が消失する) [装備]ジェイソンマスク@悲恋湖伝説、果物ナイフ@狐火流し、ド根性バット(ミラクルミステリーパワーステッキ最終形態)@美少女探偵金田一フミ3 [所持品]基本支給品一式×2、 乱歩 の洗剤+ブラシ@電脳山荘 [思考・行動] 基本:三日待って九条をころす。 1:SKはころす。オリエンタル号に関連する人間も螢子以外はころしたい。 2:脱出する奴はころす(脱出→escape→エスケープ→SKプである為)。 3:鷹守と若王子はころす。オリエンタル号と竜王丸の関係者全員ころす。 [備考] ※参戦時期は、小林を殺害した後。 ※SKが嫌いです。オリエンタル号に載っていたSKは勿論、載ってないSKも嫌いです。 とりあえず色々殺します。何かと難癖をつけて螢子以外はどんどん殺します。 ※ジェイソンマスクを被っている間は、ジェイソンに変身。 そうなると、何百人殺しても心を痛めないようです(TVアニメのファンブックより)。 006 職員会議 時系列 008 (無題) 006 職員会議 投下順 008 (無題) GAME START 香取洋子 GAME OVER GAME START 遠野英治 021 霧と雲が混ざりあって……
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ルート化とは、iPhoneで言うところの脱獄と同じようなものです ルート化を行うと、Docomoの保証がなくなります ルート化した端末をドコモショップに持っていくことのないようにしましょう 以下にルート化のメリット、デメリットを挙げます メリット クロック数の変更(動作速度/バッテリー持ちの改善) システムフォントの変更 ステータスバーの変更(トグル追加など) カメラのシャッター音を消す テザリングの固定APNの変更 CWM,TBなどによるバックアップ デメリット ドコモの保証がなくなる 端末が動かなくなっても自己責任 いじりすぎると動かなくなることがある また、ルート化とブートローダーアンロックは同じものではありません ルート化したからといってカスタムROMが焼けるという訳ではないということです (ただし、一部カスタムROMは焼けるものがあるみたいです) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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調査楽曲数 (概要) 詳細版データ→ページ名 関連ページ→ページ名 基礎知識 音階の見方 例:粉雪の「こな~~」がhiA、Lemonの「あの日の悲しみさえ」がmid2F#、残酷な天使のテーゼの「まどべからやがて飛び立つ」がhiC。 カラオケにおいて:当ページの表通りの音階で歌いたいなら端末で「原曲キー送信」をしなければならない(でなければ一部の楽曲で勝手にキーが変えられる)。またキー変更をする場合、音階は半音単位で変わる。例えばhiBの音はキーを3つ下げるとhiB→hiA#→hiA→mid2G#となる。 用語 地低 地声の最低音。 地高 地声の最高音。裏声と判別しにくい場合(シャウト等)、便宜上こちらで表記する。 裏低 裏声の最低音。 裏高 裏声の最高音。 あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 あ行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 As a route of ray mid1G hiA - - hiA - か行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 Cyaymore mid2A# hiA# - - - - Crecent Cutlass mid1F hiA# - - - - さ行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 た行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 な行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 は行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 The Barricade of Soul mid1E hiC - hiA - - ま行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 や行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 ら行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 わ行 タイトル 地低 地高 裏低 裏高 Fake地高 Fake裏高 備考 外部リンク 検索用文字列
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ルートDT テト譜 このテンプレのポイント 土台 片側セットアップ率 左右反転込みセットアップ率 このテンプレの弱み 派生一覧 テンプレ概要 類似関係 外部サイト その他
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ルート分岐参照 それ以上に書くことはない 名前 コメント すべてのコメントを見る
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imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ここに画像のURL) ステータス スキル スキル詳細席捲 湧き上がる血 破壊の嵐 狂戦士の2つの顔 コスチューム ソウルギア ソウルギア詳細ソウルギア名 ヒーロー解説 コメント ステータス ステータス ☆ Lv1 ☆☆ Lv1 ☆☆☆ Lv1 ☆☆☆☆ Lv1 ☆☆☆☆☆ Lv1 ☆☆☆☆☆ Lv70 相性 グー 戦闘タイプ 攻撃型 HP 22,721 MP 168 攻撃力 9,316 クリティカル(%) 544(5.44%) 命中率(%) 432(4.32%) 熟練度(%) 7,600(76%) 防御力(%) 2,673(28.62%) 回避値(%) 592(7.41%) 反撃ダメージ(%) 6,250(62.5%) 反撃率(%) 1,050(10.5%) 協力 A 移動力 4 成長速度 速い 有利な地形 溶岩 HP減少なし・攻撃力20%増加 協力ボーナス スラカ・リリー・ジン スキル スキル スキル区分 スキル名 解放条件 Lv1~Lv10効果 アクティブスキル1 席捲 なし アクティブスキル2 湧き上がる血 ☆Lv10 アクティブスキル3 破壊の嵐 ☆☆Lv1 パッシブスキル 狂戦士の2つの顔 ☆☆☆Lv1 スキル詳細 -... 席捲 効果 レベル スキル効果 消費MP 必要遺伝子数 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 解説 湧き上がる血 効果 レベル スキル効果 消費MP 必要遺伝子数 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 解説 破壊の嵐 効果 レベル スキル効果 消費MP 必要遺伝子数 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 解説 狂戦士の2つの顔 効果 レベル スキル効果 消費MP 必要遺伝子数 Lv1 なし Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 解説 コスチューム -... コスチューム コスチューム名 黑き死神クルート ボーナス効果 HP 600 攻撃力 285 入手方法 600クリスタルで購入 ソウルギア 武器 翼 ボーナス効果 攻撃力 380 クリティカル 200 反撃ダメージ 600 命中率 200 オーバーラップ効果 湧き上がる血 Lv1~Lv10 破壊の嵐 Lv1~Lv10 攻撃力が追加で0.1%~8%増加 防御力無視効果が20~900追加で増加、スキルの与ダメージ上限が0.1%~8%追加で増加 セット効果 セット効果 効果詳細 ソウルギア詳細 -... ソウルギア名 レベル スキル効果 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 ヒーロー解説 -... コメント 最新の30コメントを表示しています。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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キャラ紹介 幻想界とかいう世界から連れて来られたキンタマ 全てのスキルがアクティブで全てが補助向きで悪童とは若干違う つまんないつーが口癖 スキル Q 夢魔の貪食 高射程 高ダメージ HP吸収 鈍足効果 をもった対象指定 序盤で若干無理してもHP吸収でどうにかなる 良スキル W 悪夢の萌芽 地点指定で1秒後ぐらいに相手にダメージ与えて混乱する これも威力がそこそこで範囲CCで建物にもダメージが入る OP E 彷徨う夢 対象を眠らせる 対象が本体と霊体になる 眠ってる対象(本体)が敵(通常なら神聖連合)の攻撃によって破壊されると分裂した対象(霊体)に何も起こらないが 眠ってる対象(本体)が何もされないまま2秒経つと分裂した対象(霊体)が眠っている対象(本体)に戻って2秒間眠らされる プルートが敵にいたらE食らって分裂したら動いてない本体の方攻撃すれば味方を助けられる(食らった対象も攻撃できるから自力で抜けられる) 食らったあと耐性貼っても無駄だから無理なら帰還しとこね 最初はわかりにくいが慣れればすぐ助けられるし解除もできる ただ攻撃能力の乏しい知能タイプはスキルで破壊出来なかった場合間に合わない場合がある あと序盤に食らうとどのキャラも結構辛い Eの後にWを入れてEの睡眠が発動すると睡眠と混乱で長時間拘束できる R 連環の夢路 CT90秒で自分が死ななくなって範囲内の味方のダメージカットする壊れスキル 8秒間味方のダメージ保護 自分がその分肩代わり だが死なない 自分が死にそうだからって使って大事な場面で使えないようなプレイはやめよね 立ち回り スキル見てわかるが補助 QWEの威力が高いから序盤~中盤まではkillとれるしダメージソースになる R発動しながらどうやって動くかってのも大事だから簡単に見えて連携が大事になるキャラ E WはEが発動したら確定で入るっぽいからそれで慣れてない奴はkill取れる 5分まではガンガンハラスしよう ビルド 耐久詰んでとか 誰かが舐めプで速度と雷剣詰んでた
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固法「困ったものね……」 固法美偉は、その日何度目になるか分からない溜息をつく。 「風紀委員として見逃してはいけない」と自分に言い聞かせ、目の前の少年に声をかけた。 固法「ちょっといいかしら?」 少年「ああ?」 固法「風紀委員『ジャッジメント』よ。鞄の中を確認させてくれないかしら?」 少年「!?」 慌てて逃げ出す少年。 焦ることなく、固法は少年の足を引っ掛け転ばせると、手首を掴んでひねり上げた。 少年「痛い痛い痛い痛い!!!!」 固法「大人しくしないからよ……確認!」 固法の指示で、後輩の風紀委員が少年の鞄を開ける。 すると、そこから出てきたのは袋に入った白い錠剤。 風紀委員「麻薬ですね」 固法「まったく……今日これで何人目?」 風紀委員の仕事は、悪の秘密結社と戦うことではなく、街の治安維持だ。 固法「はぁ……誰か手を貸してくれる人、いないかしら?」 【第五話・錯綜! 人のココロ!!】 常盤台中学。 いわずと知れた名門女子校で、例え王侯貴族だろうとレベル3未満は入学できない。 学園都市でも五指に入る名門中の名門。 学舎の園に存在するお嬢様学校の中でも、注目度は一際高い。 何故なら。 学園都市に七人しか存在しないレベル5。その内の二人が在籍しているからである。 その内の一人―― 美琴「ん~~……今日はいい天気ねぇ……」 御坂美琴が、学生寮のベッドで目を覚ました。 年齢や評判に見合わない幼稚趣味なパジャマを脱ぎ、制服に着替える。 シャワーを浴びようかと思ったが、やはりやめておく。 今日は気乗りしない。 出来れば、この部屋からすぐに出たい…… 黒子「おはようございますの。お姉さま」 美琴「……うん。おはよう」 ルームメイトの白井黒子。 先日のキャンベルビルでの一件以来、二人の間に気まずい空気が流れていた。 美琴「ねぇ黒子? 今日も遅いの?」 黒子「ええ。最近は怪人だけでなく、能力者の犯罪も増えていますの」 美琴「治安悪いのねー……相変わらず」 黒子「えぇ。まったくですわね」 …… …… ……。 会話終了。 美琴は悩んでいた。 あの日は気が立っていた。 そのことは黒子も分かっているし、謝れば許してくれるだろう。 が―― 黒子「では。先に出ますので」 美琴「え? あ……う、うん……」 リズムが合わない。 結局、上手くタイミングが計れず、部屋に居る間ずっと息が詰まりそうになる。 美琴「………………はぁ……何て不器用」 先日の公園。 ツンツン頭の少年・上条当麻との、久しぶりの喧嘩。 美琴は思いのたけを思いきりぶつけ、上条はそれを全て受け止めた。 結局それは、叫んで暴れて、体力も気力も尽きた美琴が倒れるまで、一時間ほど続いたのだった。 上条『さて。すっきりしたんならさっさと帰れよ。フラフラじゃねえか……』 美琴『……やだ』 上条『はい?』 美琴『だって……居づらいんだもん……』 その日と同じく気の立っていた自分は、八つ当たりで黒子を傷つけた。 それを気にしないように気を使っている黒子。 そのことが、美琴の機嫌をさらに悪くしていたのだ。 上条『後輩と喧嘩したぁ?』 美琴『……うん』 上条『何だ……そんなことかよ……』 美琴『そんなことって……!』 言い返そうとしたが、少年はあっさり、真実を述べる。 上条『だって。自分が悪くて喧嘩したなら謝りゃすむじゃねーか』 美琴『うぐっ…………!?』 美琴「そんな簡単に出来たら苦労しないってのよ……あの馬鹿!」 風紀委員第一七七支部。 慌しい空気の中、私は親友とのスキンシップを図る。 佐天「初春ー?」 初春「……」 佐天「初春ー?」 初春「……」 返事が無い。ただのお花畑のようだ。 おのれ初春……この私を無視するとはいい度胸だ……! 目標補足! 目標を掴むと同時に捲り上げる!!! 佐天「うーーいーーはーー……るーーー!!」 初春「……」 馬鹿な!? スカートを捲っても無反応だと!!? 佐天「……」 初春「……」 佐天「えい! おお!! きれいなお尻だ!!」 初春「ひゃああああああああああああああああああああ!!!!???」 バチーーーーーン!!! と、部屋中に綺麗な破裂音が響き、私は意識を失った…… 初春「ななななななななななななななな何をするんですかーーーーーー!!!??」 佐天「いや……返事が無いから。コレは更に先に進めということなのかと……」 初春「忙しいんですよ!!! 見たら分かるでしょう!!!?」 おー。珍しく本気で怒ってらっしゃる。 いや、これは恥ずかしさを誤魔化すためにオーバーになってるな? 初春「もう……邪魔するんなら出てってくださいよ……」 佐天「えー? 初春が難しい顔してるから、気を紛らわせてあげようと思っただけなのにー」 初春「セクハラを人の所為にしないで下さい!!」 本当なのになー…… まぁ元気になったからいっか。 固法「戻ったわ……」 そこへ、巡回に出ていた固法先輩が帰ってきた。 なにやら暗い面持ちで、やっぱり、こちらも相当お疲れのようだ。 ……いや。期待されても流石に先輩にはしないよ? ……ホントダヨ? 初春「どうでした?」 固法「どうもこうも無いわ……酷いなんてものじゃないわね」 風紀委員はここのところ、著しい治安の乱れに悩まされていた。 それはブラッククロスだけではなく、学生達による犯罪の増加や、なにより―― 固法「ほら。戦利品」 佐天「これって……クスリですか?」 麻薬。ドラッグ。 いわゆる違法薬物が横行していた。 固法「今日だけでこれだけの数よ……あー、目の毒だわ……」 固法先輩は透視能力を使い、街中で違法薬物の取締りを行っている。 固法「やっぱりこれだけ治安が悪いとね……皆不安になって、こういうものに頼り出すのよ……」 初春「そういうもの……でしょうか?」 嫌な話だ…… 初春「でも。薬物は出所さえ掴めば何とか出来ますからね。ブラッククロスの件よりはマシです」 固法「その出所が分からないから困ってるんでしょ……」 佐天「出所……スキルアウトとか?」 固法「どうかしら……それだけじゃない気もするけどね……」 固法「白井さんは? まだ戻ってないの?」 初春「ええ。出てったきりです」 無理してなきゃいいけど……と、呟いて、個法先輩は机に向かった。 報告書を作るらしい。 初春に視線を移すが、彼女もまたパソコンで何やら調べもの中の様子。 ……ここのところ、ずっとこの調子である。 風紀委員は大忙し。 以前のようにみんなでお出かけしましょうというワケにもいかず、会話も減っている。 これはいけない。 こういう空気が長く続くと人は良くない方向へ転がるものだ…… 佐天「ふむ……」 さて、私こと佐天涙子がするべきことはなんだろう? 考えるまでも無い。 そんなことは決まっている―――― 佐天「じゃあ。私もそろそろ行くね? 邪魔にならないように……」 私がドアを開けて出て行こうとすると、初春が無言で手だけをひらひらさせて挨拶してくれた。 それに「じゃあね」と返し、私は駆け出した。 佐天「さぁて。ヒーローの仕事は戦いだけじゃない――ってね!」 ヒーロー・アルカイザーが、街に蔓延るドラッグを駆逐しちゃいますよ! 一七七支部を出た私は、人気の無い路地裏へ駆け込んだ。 誰にも見られないようにするためだ。 佐天「ふー…………この瞬間はいつまで経っても慣れないねぇ……」 何せ、正体を見られたら記憶を消されるのだ。 命がけの変身。慣れるはずが無い。 念入りに周囲を調べる。 物陰。通路の先。人が何処からも見ていないか? 最後に前後左右をもう一度見回して、目を閉じ、意識を集中する…… 佐天「……」 心臓が一つ大きく跳ねる―― 体の中心から、全身の血管へ。 血が廻るのを感じる。毛細血管の一本一本まで…… 心臓で生まれた熱量が、指先、つま先まで広がっていく。 力が湧いてくる――――! 佐天「変身! アルカイザー!!」 佐天涙子の体が輝き、視界が光に包まれる……! ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!! 佐天「………………え?」 突然のアラーム音に驚き、私は、さっき確認しなかった『頭上』を見上げた。 そこに『居た』のは―――― 「異常な数値の周波数を発見。ライブラリに該当無し。未知のエネルギーと断定。発生源、確認」 白くて丸っこい、大体40センチくらいの、何やら可愛らしい空飛ぶ機械。 「学園都市学生名簿と照合……該当者・佐天涙子」 佐天「……え? え?」 これって―――― 「佐天涙子より、未知のエネルギーを検出。映像、データを検証」 佐天「――――――」 やばい。 私、死んだ。 「おい、あの頭、見ろよ!」 「ツインテールか?」 「ツインになってねーじゃん! 分かれちゃってるじゃん! 蛸の足じゃん!」 「ハハハ! いっぱい分かれてるテールじゃねーの?」 黒子「……ここはいつ来ても不快ですわね」 不潔で嫌な臭いが充満している。 そういう場所はいる人間も不快で下劣だ。 ――しかし、昔の私なら蹴り入れてましたの。私も淑女になったということですわね……フッ。 白井黒子が居るのは工業地区の外れ。 古くなった建物や、廃棄された製品が溢れる、掃き溜めのような場所。 黒子「流石に遠出しすぎましたの……第七学区を出てしまいましたわ」 どんな場所だろうとテレポートで移動できる。 それゆえに、よく考えずに行動するとどこまでも来てしまう。 ……どうしても。あの時のことが頭をチラついて…… 黒子「……集中しませんと……気付いたら『壁の中に居た』では笑えませんの」 もう戻ろう。 黒子は踵を返し、今来た道を戻ろうとする。 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 黒子「!?」 先ほどのスキルアウトの一人が突然苦しみだした。 黒子「何事ですの!? 貴方達――!?」 「わ、わからねぇ……! コイツが突然……」 「く、クスリ……」 黒子「薬?」 「怪しい奴から買った、新しいブツを試したんだよ、そ、そしたら……」 ……呆れた。何故怪しいと思って買うのか…… いや、そんなことよりも今は――! 「ウゴ、ググッげ……ぐるあああああああああああああああああああああ!!!」 黒子「こ、これは!?」 苦しんでいたスキルアウトの体がボコボコと流動している。 歯が抜け落ち、その代わりなのか、歯茎から牙が生えてきた。 肌が黒く変色し、アンバランスに膨れ上がった筋肉で皮膚が破れ、体毛が伸びる。 黒子「怪物……いえ、まさか怪人……に……?」 怪人「ぐるる……ぐっぅあああああああああああああ!!!!!??」 怪人になった男は苦しんでいる。 無理も無い。ただの人間が、どういう理屈なのか、突然怪物にされてしまったのだ。 黒子「――――!」 戦いますの――――? だって、相手はただの人間ですのよ!? 「ひ、ひいいぃいいいい!!!?」 黒子「ちぃっ……!」 とにかく、今は一般人の避難を――! 例えスキルアウトでも、罪を犯していないなら守るべき対象。 黒子はテレポートで逃がそうと考えたが、止める。 黒子「……三人……!」 いくら黒子でも一度に運べるのは二人まで。 ということは、一人がここに残されることになる……!! 黒子「貴方たち! 早くお逃げなさい!!」 「は、はひぃぃ!!!」 黒子「……!!」 男達を逃がし、一人戦場に残った黒子は、怪人になった男と対峙した―――― …………………… どうしてこうなった。 「どうしたんだ涙子? 心拍数が落ちているぞ?」 佐天「うん……そろそろ落ち着いてきたんだよ……」 「そうか」 私の部屋に、あの白くて丸っこい機械がいる。 佐天「ねぇラビット? 本当にどこにも連絡してないのね?」 「ああ。私は嘘はつかない。メカだからな」 ラビットと名乗ったそのロボットは、私に興味があるらしくここまで着いてきてしまった。 しかし、この場合どうなるんだろう? 相手はロボットだ。 決して『一般人』とは言えないだろう。 と、いうことは―― 佐天「セーフ?」 ラビット「何がだ?」 佐天「なんでもないよ」 ラビット「そうか」 うん。大丈夫のはず。 もしアウトだったら、きっと今ごとアルカールさんが現れているだろう…… 佐天「あのさ。さっきのアレについて聞かれても、私は何も答えられないよ?」 ラビット「そうか。残念だ」 佐天「……」 ラビット「……」 出て行かないんかい。 ラビット「何か悩んでいるな?」 佐天「はい?」 いや、あんたのことで悩んでるんだけどね? ラビット「涙子。何を悩む?」 ………………何だコイツ…… 佐天「……何を悩んでるのか分からないのよ」 ラビット「そういうときもあるだろう。まだ若いのだからな」 …………ロボット相手に人生相談か。 ラビット「己のココロというものは見えづらいものだ」 佐天「心……」 ラビット「私には無いものだ」 佐天「そうなの……? あなたのAIってすごく性能よさそうだけど?」 ラビット「ココロを求めれば求めるほど、己の中にはココロが無いことを確信することになる」 ふーん……変なロボット。 佐天「私はさ。この街に来てから悩んでばっかりだよ」 ラビットは黙ってぷかぷかと浮かんでいる。 話を聞いてくれてるのかな? 佐天「最近はそうでもなかったんだけどね。今はちょっと、嫌なことを思い出しちゃって」 美琴「…………」 美琴は行くアテもなく街をうろついていた。 馴染みの自販機でジュースを『頂き』、それをチビチビ飲みながらふらついている。 上条『喧嘩したなら謝りゃすむじゃねーか』 美琴「はぁ………………」 コンビニで立ち読みしていても落ち着かないし、初春や佐天とは連絡がつかない。 美琴「…………ひょっとして、私って友達すくない……?」 いや、分かっていたことだ。 だからこそ、尚更白井黒子が大切な存在なのだと。 レベル5の自分のことを憧れの先輩だと言いつつも遠慮しない。 ずけずけと、それこそ風呂場にまで入り込んでくるずうずうしさ。 美琴「黒子……」 いつの間にか、彼女は心の中にまで入り込んできていたらしい。 それにしても、まさか自分がたった一度の失敗でここまで落ち込むなんて。 美琴「うん。謝ろう。今度こそ。次こそ!」 そう強く決意し、美琴は空になったジュースの缶を清掃用ロボットの傍に投げ込んだ。 が―― その前に突然一人の男が割り込んできた。 カコーーーーーーーーーン。 美琴「……………………私の所為じゃないわよね?」 美琴「だ、大丈夫?」 おそるおそる近づく。 美琴「ねぇ? 怪我とか――」 妙だ。 男は、何かに怯えるようにガタガタと震えていた。 美琴「ねえ? ちょっと、どうしたのよ?」 「か……怪人……」 美琴「怪人!?」 また街の中で――――!? 「怪人に……だ、ダチが……怪人に……なっちまった……!」 美琴「…………え?」 黒子「くっ……!!」 黒子は苦戦していた。 相手がただの人間なら、スカートの下に忍ばせた『鉄矢』で動きを封じて捕縛できる。 相手がただの怪人なら、容赦なく致命傷を与えて倒すことが出来る。 だが―― この相手は「怪人になってしまった一般人」なのだ。 黒子「一体どうすればいいんですの!?」 苦しそうに暴れる怪人。 薬の作用なのか、無理やり太くされた筋肉をフル稼働し、黒子に突撃する。 駄々っ子のように腕を振り回して、まるで助けを求めるように―― 黒子「――――」 攻撃できない。 黒子が風紀委員である以上。 例え麻薬の常習者だろうと。ロクデナシのスキルアウトであろうと。 この学園で生活する学生は皆、守るべき対象なのだから。 それが、『悪の組織』に利用されている被害者だとしたら、なおさらだ。 自分の行動に、自信が持てない―― 佐天「わたしはさ。自分に自信が持てないんだと思う……だから無能力者なのかな……」 能力を使うために必要なのは自分だけの現実『パーソナルリアリティ』。 つまり、他の誰が何と言おうと、自分自身を信じるということ。 それこそ、この世の常識を捻じ曲げるほどに…… ラビット「無能力者……カリキュラムを受けてなお超能力を使えない人間か」 佐天「……改めて説明しないでよ」 佐天涙子は学園都市で改造された無能力者である。 佐天「そのナレーションをやめろ!!」 ラビット「チカラか」 佐天「うん。それさえあれば。何だって出来るのに」 もう、あんな無力感を味わわなくててすむのに。 ラビット「私の主もそう言っていた」 佐天「あるじ?」 ラビット「ああ。私の主もまた、涙子と同じく『万能の力』を求めている」 佐天「万能の……力……」 ラビット「それゆえ、私もまた、チカラを渇望してやまない」 佐天「ふーん……まぁ、だからさ。コンプレックスなんだよね。単純に」 ラビット「しかし、理解できない。何故だ?」 佐天「何故って……」 ラビット「今の涙子にはもうチカラがあるではないか。強力なチカラが」 佐天「え――――」 アルカイザー。 ラビット「それ以上のチカラを求めているのか?」 佐天「いや。でも……これは借り物で……」 ラビット「それは紛れも無い涙子のチカラだ。何を臆することがある」 佐天「………………」 ラビット「自信を持て。強者にはそれが必要だ」 佐天「強……者……?」 私が。 強者? まだ、怪人と黒子の戦いは終わらない。 黒子「っ! 一体いつまで続けますの……?」 攻撃自体はどうということはない。 例えどんな豪腕であろうと、攻撃が予測できればテレポートでかわせる。 怪人「ぐうあああああああああああああああああ!!!!??」 怪人が突撃し、それをまたテレポートで回避する。 すでに十数回。これを繰り返していた。 攻撃をかわされた怪人はジャンクの山に激突し、鉄くずの下敷きになる。 黒子「はぁ、はぁ……これで動きを止めてくれればいいのですが……」 ぐるるがあああああああああああああああああああああああ!!! 止まらない。 怪人は鉄くずを吹き飛ばし、再び黒子へと迫る。 その体当たりをまたもテレポートで回避。 黒子「いい加減に……っ!?」 そう――いい加減に、黒子の集中力は途切れていた。 黒子がテレポートした先。そこへ、先ほど怪人が吹き飛ばした鉄くずが落下して来る――! 黒子「……!??」 動揺で演算が狂い、テレポートが発動しない。 絶望。間に合わない。 否――間に合った――! 鉄塊に潰されることなく、黒子は着地に成功した。 黒子「………………お姉さま! どうしてここへ!?」 美琴「……黒子」 黒子の絶望は一瞬に満たなかった。 御坂美琴が放つ電撃は、音速を超えるのだから―― 黒子に迫る鉄塊は、美琴の放った電撃で再び宙に浮いた。 黒子「お姉さま……黒子を助けに……?」 美琴「当然でしょ? だって――」 大切な、可愛い後輩だもの。 美琴「黒子。この前はゴメンね……」 黒子「……いいえ。いいのですお姉さま……黒子は……黒子は分かっていましたから……」 お姉さまがそのことを気に病んでいることも。 お姉さまが自分を大切に思ってくれていることも。 お姉さまが、どんな苦境に立たされても再び立ち上がって、真っ直ぐに進むということを――! 二人に向かって、怪人が迫る。 今までと同じ。腕を振り回しての体当たり。 美琴「行くわよ黒子!!」 黒子「はいですの! お姉さま!!」 もはや迷いはない! お姉さまがいる! 自分は正義の側にいる! 正しいことを! 自分が正しいと思えることを!! 今はただ全力で信じる!!! 美琴「行っけぇっ――!!」 美琴がコインを弾く。 『超電磁砲』 それは怪人ではなくゴミの山に命中し、鉄くずを天高く巻き上げた。 怪人の行く手を阻むように鉄塊が降り注ぐ――! が、怪人は止まらない……! 鉄の板だろうが、車の残骸だろうが。 何にぶつかろうが、意に介することなく進撃を続ける……!! 美琴「頑丈ね……! なら――――!!」 美琴の額から電撃が放たれる。 それは直接怪人にではなく、怪人の周囲にばら撒かれた鉄くずに向かった。 磁力によって鉄くずが浮かび上がり、怪人目掛けて一斉に集まって行く。 美琴「黒子!!」 黒子「はいですのお姉さま!!」 美琴が操る鉄くずは怪人の体に絡み付いていく。 鉄の山を吹き飛ばす怪力だが、決して剥がれない鉄の塊に手足を固定されては暴れることも出来ない。 そして、完全に動けなくなった怪人を―― 黒子「触れられるのなら、私の能力でどうとでもなりますの!!!」 黒子が天高く転移させた。 黒子「体も意識も落ちて下さいませ!!!」 全身に重りを付けられた怪人が、上空から落下―― 否――まだ終わらない……!! 美琴「あれだけ頑丈なら……死にはしないでしょう……!!」 落下する怪人に、ダメ押しとばかりに電撃が浴びせられた……!! テレポートと電撃を間髪居れずに叩き込む、二人の能力による連携―― 『空間電撃』 頭から地面に落下した怪人は、電撃による追撃で完全に沈黙した。 それを確認し、黒子は隣に立つ美琴へ顔を向けた。 美琴も、黒子を見つめていた。 知らず口元が緩む。 場所がこんな所でなければ、素敵なムードでしたのに。 そんな軽口を叩ける。いつもの二人だった。 ピーーー! ピーーー! 佐天「な、何!? 故障!!?」 ラビット「呼び出しだ。戻らなければ」 佐天「そう……帰るんだ」 ラビット「また近いうちに会える」 そう言って彼は、フワフワとした軌道で窓から出ていった。 完全に外に出ると、空中で一度停止して数回光り、一気にスピードを上げて飛び去った。 佐天「また近いうちに……か」 彼の相談で、悩みは解消されたのだろうか? ただ、胸にふつふつと燃えるようなものがあるのは確かだ。 彼は、私には力があると言った。 この力を、私のものだと言った。 戦いたい…… 戦って、それを証明したい。 そうすれば、大嫌いな、無力な自分を塗り替えられる。 主人公になれる。 落ちこぼれのヒーローは、不思議な友達と出会った。 【次回予告】 ついに発見されたブラッククロスの麻薬工場!! アルカイザーは街の平和を守るため、謎の麻薬工場へと挑む!! そして邂逅する佐天と美琴!! 共に正義を求める二人が、一体何故戦わなければならないのか!! 次回! 第六話!! 【激突! アルカイザーVS超電磁砲!!】!! ご期待ください!! 【補足という名の言い訳のコーナー】 ・ラビットについて。 セリフでピンと来た人も居ると思うけど、一応ネタバレ禁止でお願いします。 ・連携について。 試しに出してみました。サガフロのシステムの一つで、連携すると技名が合体します。 今回の技名は「空間移動」と「電撃」を混ぜて空間電撃です。 テレポ電撃と迷いましたが、真面目なシーンであまりにもダサかったので没です。 ・怪人になった男について。 クーロンで戦うイェティです。原作でもあった人間が薬でモンスターになるシーンです。 あのグラフィックをどう文章で表現するのか分からず何かグロいことに…… ・いっぱい分かれてるテール。 なんかラジオで言ってた気がする
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ルートまとめ 「最近行くところがマンネリ化してきたのよね~」って人や、「個人企画してみたい!けどどこに行けばいいんだろう…?」って人の参考になればと思い作ったページ。いや、企画なんて行きたいところ行けばいいんだけどね? ルートまとめ 見どころ(スポット) 見どころ(道、峠等) ルート作成のコツ 作成例 見どころ(スポット) 見どころ(道、峠等) ルート作成のコツ 作成例